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2007年4月

報われない人生

運の悪い人の話を聞いた。
その人はお嫁さんをもらって家を建てた。
その後お嫁さんの親も一緒に住むようになった。
それからいろいろなことがあり、夫婦仲が悪くなって、その人は家に居場所がなくなってしまったそうだ。
自分が苦労して建てた家なのに。
妻は夫に冷たく接し、洗濯物も別にしていたと言う。
そんな母を見て育った二人の娘も同じように父に接した。
娘の嫁入りまでは、と彼は結局定年まで事務職を勤め上げた。
話だけ聞くとあまりに地味で、あまりに報われない人生だ。

どうしてかつては愛した人をまるで汚い物のように扱うのか。
僕にはよくわかる気がする。
うちの両親もそんな感じだった。
夫婦仲が悪くなるのはさまざまな理由が合わさってのことだろう。
まるで砂漠の穴にはまりこんだように、気づいた時にはもう抜け出すこともできずに、徐々に徐々に引きずりこまれていく、そんなものだと思う。
だから本人たちもどうしてこうなってしまったのか理由がわからない。
そもそも理由と呼べるものなんて存在すらしないのかもしれない。
それでも理由がないと人は自分の心を納得させられない。
だから自分で物語をつくる。
自分が負った傷の深さと同じだけ残酷な物語を。
妻は夫をとことんまで汚い存在に仕立てる。
そうして愛するものを嫌わなくてはいけない自分の心に決着をつける。

僕の両親はそういうことを繰り返してきたんだと思っている。
そう思うことで僕はかつての家族とかつての自分に決着をつけている。

先ほどの運が悪い人は、僕には父と重なって映る。
でも大丈夫。
成長して自分も親になった娘さんたちは、ちゃんとかつてのあなたも今のあなたも理解している。 

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House to Abstract

秋から非常勤講師をやらせていただく大学のガイダンスに行ってきた。
ちょうど新入生歓迎会をやっている。

ここでかつてお世話になった人と会う。
彼は音楽クリエーターで、しなやかで知性的なんだけど、
ふとリミッターをはずさせるタイミングも心得ている、そんなトラックをつくっている。
同時に大学でもコンピューターミュージックを教えていた。
その授業で僕は実技指導員をやらせていただき、彼が主催するイベントにも何度か出演させてもらっていた。

その彼が今度レコードを出すらしい。
しかも日本のハウスシーンのトップをいくレーベルから。
ここまで来るのに7年かかったと言う。

おめでとうございます。
だいぶお疲れの様子だけども、これからもがんばってください。

僕はと言えば、音楽をあきらめたわけではないけれど、人を躍らせることはあきらめた。
僕の遺伝子には黒いビートは刻まれていない。
むしろ僕の心はもっとアブストラクトなものを求めている。
一度全てを解体してから、その先の世界を構築したい。
コスモスをカオスへ解体し、それにまた形を与えたい。

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美音君と明里ちゃんが風邪をひき、実家療養。
久々に一人っきりの夜。
開放感と寂しさと。

研究室の新学期も始まり、事務手続きに追われる。
色々な人にもお世話になる機会が増えるので、挨拶の連絡に回る。
処理能力とコミュニケーション能力の両方が必要だ。

とは言えやはり春、始まりの季節。
1年のビジョンをつくっていく季節。
心が躍る。
一本の芯を通し、それを軸にいろいろなものに手を伸ばす。
そんな期待感に気持ちは前へ前へと向かっていく。

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おめでとう

久々に父に会った。
話がある、と言っていた時からある程度の察しはついていた。
今ある人の紹介で交際している女性がいる。
再婚することを考えている。

素直に祝福の感情がわいた。
父とこんなに落ち着いた気持ちでこんな話をすることができるなんて、
数年前の自分では考えられない。
僕らが失ったもの、失った時間。
それを取り戻す必要もなく、僕らはまた大切なものを見つけている。
大切なもののために生き続けている。

離ればなれになって、前よりかえって僕のことを考えるようになった、と言う。
それは僕も同じだ。
父がきちんと幸せを見つけられる人でよかった。
息子としては生意気な話だが、そう思っている。
おめでとう。幸せに。

帰宅すると明里ちゃんからビッグニュースが。
僕の大切な友達二人が結婚するらしい。
ついて離れてを繰り返していた二人が、
何があっても結局隣にいる人はこの人だ、という確信を得たんだ。
おめでとう、幸せに。

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